ワインと読書vol.22_窪美澄さんラッシュいきます!まずはNo,1推しで♡「アカガミ」
ひょんなことから、ハマってしまいました
窪美澄さん。
大人のエロティックな男女テーマが多いのかな、と思っていたのですが
中学受験の出題候補にも選出されたと聞いて
え、どんなふうに?と、がぜん興味を持ったんですよね。
で、記念すべき?1冊めに手にしたのが
「アカガミ」
何の前情報もなく、タイトルから想像もつかずに
表紙の不思議さで選びましたが
ファースト窪さん作品にこれを選んだ自分を褒めたい!!
っていうくらい
この後、何冊か立て続けに読んだ中でも
ダントツに好きな一冊でした
図書館で背表紙を見たとき
「あ、こういう内容だったな」ってディティールまで頭に描けるほどに記憶に残る作品ってあんまりなくて(わりとすぐ頭を通過してしまうほうです、、
でも「アカガミ」は
設定から描写、ラストの抜け方まですべて鮮明に残っていて
「うわぁ、やられたな」っていう
すべてがハマった快感がありました。大・満・足・♡
男女の情熱がなくなった世界で、これは極上の純愛だ。
舞台は、男女が生にも性にも興味を持たなくなり
引きこもりや鬱、自殺が増えて少子化が極限まで進んだ近未来。
主人公のミツキは介護施設で老人の世話をしながら
家では年老いた母を介護し、淡々と疲弊している…
このシーン、美容院で髪切ってもらいながら読んだんですけど
「なくはない近未来」と思いましたよ
すでに異性や結婚に興味を失った若者、自分が生きることに必死で
家庭を持つどころか恋愛すら飲酒すらおしゃれすら「意味ある?」とタイパを振りかざしがちな新世代
この風潮はどこまで進んでしまうのだろう?
クリティカルシンキングの成れの果て。
で、さて
ひょんなことから “外” へ繰り出して
国家によるお見合いシステム「アカガミ」に志願することになったミツキちゃん
(よかったね。やっぱり外に出るってだいじね)
最初は読みながら心配になってしまうほど晩稲(オクテ)で
イキナリ一緒に暮らすことになったマッチング相手のサツキと
もどかしすぎる(中学生みたいな青々しい)やり取りがあるのだけど
この、サツキくんがいい男なんですー!!笑
女の子に慣れてはないんだけども堂々として頼もしく
このタイプ、好きな女性は多いんじゃないかしら?
で、手を繋ぎたいって気持ちもわからない二人が
「アカガミ」のプログラムに従い徐々に距離を縮めていって
最後の目的は、妊娠&出産? その先は!?
っていう、
生とは?性とは? 繁殖とは? 国家とは?
すべての局面において深く考えさせられる一冊であることは間違いないのですが
私はこれ、とてつもない純愛小説だなって思いながら読んでいました。
とんでもなく陰鬱なテーマなのに
不思議と心が洗われた
人を好きになるって、お互いを大切に思うって
ああこういう気持ちの延長なんだなーって
不思議ですね、出会いは機械的なマッチングなのに
ちゃんと育まれるものがあって。望んでいた未来とは違くても
この二人はもう大丈夫なんじゃないかな、って
決してハッピーエンドでは終わらせてはくれませんでしたが
重たい結末に、それでも一縷の希望をみました。私は。
ディープな話ほど、きれいに飲みたいのです。
お初の窪美澄さん作品。
どんなお酒を飲もうかな、って!
そういうの考えるのも楽しいんですけどね
これ読んでるときは美容室だったりランチ後だったり
真ん中あたりからは寝る直前(歯磨きしたあと)にイッキ読み!
だったので、じつはワインいただいてなくって。
でも、読後に後付けで考えるなら
これ!
きれいでフルーティーな
ヴィーニャ・エスメラルダ♡
ちょっと意外ですかね。
作品のイメージとは180度違うよね💦
だけど私、こういう女性の内面をこじ開けるみたいなお話は
あまり野生味を出したくないっていうか、、
生々しいお話だからこそ、きれいに(酔いすぎずに)
理性を保ったまま読みたくて。あはは、めちゃくちゃ個人的な趣味嗜好ですけども!笑
てな感じで
遠く地中海の太陽くらいの俯瞰から
広く捉えて読みたい「アカガミ」
このあと何冊か読んだ窪さんの作品のなかでも
ダントツお気に入りの一冊です。よろしければぜひ!
Kyoco