ワインと読書vol.17_豪雨、台風、土砂災害。そして心を描いた小説「ハリケーン」
またまた、日が空いてしまいました。
心痛めることが続くこの頃ですが、皆さまお元気ですか?
私は思いのほか打ちのめされております。
(そんな自分に驚いています。政治信念は薄いほうだしドライだと思っていたのに、、
三浦春馬くんのときも思ったけれど良心を失うことの悲しみはずしんと響くね)
さて。
そんなこんなで頭のどこかが妙にリアルなまま
ふわっとした物語を受け付けない状態で手に取ったのが
高嶋哲夫先生の「ハリケーン」
まさに今。6月に梅雨が明けてへんなタイミングで豪雨が来ている
「地球がおかしいぞ」への探求です。
高嶋哲夫さんの作品はこれまでいくつも読んできて
その多くが、緻密なデータに裏付けされたリアルなもので
これでもか!と真に迫る予見で読み手を煽ってくるのですが
(ヒリヒリしたいのに、、)
今回の「ハリケーン」はどうやら毛色が違うらしい!?
最新の気象問題も出てこなければ予知めいた話もない
どちらかというと過去からの巣立ち?
高嶋さんには珍しく、ヒューマン寄りといいますか。
(いやむしろ振り切ったヒューマン。人物描写中心)
家族を失った喪失感、中学受験、心の傷、介護、夫婦仲
さまざまなストーリーが交錯していって
科学的根拠に打ちのめされたい私なんかは「どんな大災害が起こるの!?」と、ヤキモキ。
で、最後まで期待したままヒューマン小説で終わりました。
うん。なんかちょっと消化不良💨
おそらく小説として普通に素敵な内容なんですが
ついついシビアな高嶋節を期待してしまうんですよね😂
とはいえ、ゲリラ豪雨などで気象庁の存在感が高まって
早め早めの避難指示が世に認められてきたのはここ数年の話。
それまでは作品中にも描かれているように
「警報を出しすぎると警報慣れしてしまう」と叩かれてましたもんね
そのあたりのことが、2018年の初版から数年で
まさに高嶋先生の予見された通りになったため既視感がついたという解釈も、アリかもしれない。
余談ですが、我が家には中学受験予備生がおりますゆえ
そういう意味で子供目線の描写はリアリティーに満ちておりました💦
(冷や汗級w)
ということで、「ハリケーン」
ゲリラ豪雨や豪雨災害、土砂崩れなど
「これまで大丈夫と言われてきたことが崩れつつある」という一点において
戒めとなる一冊かと思います。
とくに、土砂崩れにおける真砂土(まさど)や山の保水力、深層崩壊 etc,..
勉強になるキーワードもありました。
気象庁や自衛隊頼みでなく、日本に住まう一人ひとりが
こうやって意識を高めていかなきゃいけないんですよね
「危ないと知りながら(その土地に)住み続ける住人が悪いというのか?」
「そこに住宅を建てても良いとした行政にも責任がある」
このあたり考えさせられます。
気象系のテーマで他にも何冊か書かれているので
ちょっと興味深いなぁ
否、やっぱり
高嶋先生は原子力系がご専門でいらっしゃるので
そちらの最新刊も読みたいなとか
そんなことを思いながら。
いま、自分で思うよりきっと凹んでいるので、、
リアルすぎる現実は読み進められるかどうか、、、
とはいえ逆にふわっとした話は全然頭に入ってきませんし
少し、目と頭を休めて
遠くを見ておくのが良いかもしれませんね
とっておきの白でもちびちび舐めながら
、、癒されたい😭(切実。
Kyoco